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  • 執筆者の写真ナカムラ・ダ・ムラムラ

I found a YOKAI vol.2/土鍋蓋の妖怪

さすがにもう更新しないだろ?

まさかね、と思っていたそこのあなた。


ナカムラ・ダ・ムラムラだ。


お元気にお過ごしであろうか。

どうやら人間界では

大変なウイルスが蔓延しているようだ。


今回ナカムラ・ダ・ムラムラは

当然おうちで過ごしているわけだが、

おうちでありえないことがおきた。


その一部始終をみなさんに伝えていきたい。


ナカムラ・ダ・ムラムラは今日、餃子を買った。

あまり料理などはしないのだが、

ワンシーズンに一度くらいは作ってみたい!

という気持ちになってしまうのが、

人のサガ佐賀というものであろう…


そんなこんなでおうちから100mくらいの所にある

とあるまいばすけっとで、冷凍餃子を購入した。


とっととおうちへ帰り、

早速焼いてみることにする。


私は自慢ではないが餃子は結構上手く焼ける確率が高く、

手作り餃子専門店みたいな所で生の餃子を買い、

水をいれたり蓋をしたりなどしながら、

こんがり美味しく焼き上げる。


そう、私はちゃんと餃子の焼き方にそって

正しく餃子を焼くのだ。


今回購入した餃子も焼き方にそって焼く。

忠実に再現。

餃子はこれが一番である。

自己流をいれずにちゃんと従う。

これにつきる。


さて、焼いてみよう。


ふむふむ。


フライパンに油をひかずに、

凍ったままおいて火をつけて

すぐ蓋だな。


なんて簡単な餃子であるか。

こんなに最高に簡単な餃子があったとはな。



早速餃子を並べて蓋をした。


このフライパンに合う蓋がなかったため、

土鍋の蓋を使用。



うむうむ。

よい香りがしてきたではないか。


きっちり5分タイマーをして、

あとは待つのみ。


中火とは鍋に火がつくかつかないかである。

と丁寧に手順書に記載があるため、

しっかり中火にし待つこと5分。


ぱっか〜ん



んんッ?


なぞの怪しい雰囲気を醸し出していたのである。


なんか…


かたよってる?


まぁ大丈夫であろう。

ここまで手順通りであるし

ここから1〜2分はこのまま中火で水気を飛ばす、

と書かれてあるし、このまま水気を飛ばしたら

完成のようだ。


わくわくと胸の高鳴りを感じる。


2分経過し、もうそろそろできたかな、

できたぽいな。と思い

早速餃子をお皿に乗せようとした瞬間。



事件は起きた…




んんっ?


むむむむむむっ?!



なぜフライパンからはがれようとしない?

もはや中身の具までが丸裸である。


おいおい、勘弁してくれよんしんちゃん。

どうしたんだよ。


手順書通りのはずだがと思い、

もう一度手順書を見る。



“油・水なしで焼ける”



やはりそうだよな?

こんなにデカデカと油・水なしで焼けると書いてあって、

焼けないわけがない。


そもそも焼けなかったらこの記載は嘘ということになり、

クレームが殺到し、この餃子が売れるわけがなかろうに。

そんなわけがあるわけがあるまいか。


なにかがおかしい。

手順書通りのはずであるし、

なにかどこかでなにかのなにかがなったに違いない。


そんなわけでとりあえずボロボロの餃子を皿に乗せる。


とりあえず食べてみるかと箸を持ち、

餃子に手をのばした瞬間、何者かの目線を感じる。


ん…?



これは……



土鍋蓋妖怪ではないかぁっ…!!



どおりで餃子がクソボロになってしまうわけだ。


まさか土鍋蓋妖怪が土鍋の蓋についていたとは、


くそっ…やられた…


土鍋蓋妖怪がついたら最後、餃子をボロボロにしてしまい、

ボロボロになった餃子を見て落胆する人間を小馬鹿にする妖怪なのだ。


(くっ…笑ってやがる…)



まさかおうちの土鍋に

土鍋蓋妖怪がついていたとはつゆ知らず、

なんとなく土鍋の蓋を使ってしまったことで、

土鍋蓋妖怪に餃子をボロボロにされてしまったのだ。


まさかこんな低級妖怪にはめられるとは…


まだまだ修行が足りない

ナカムラ・ダ・ムラムラであった。



ここで一句。


もしかして あなたとともに 土鍋蓋 妖怪住みつく 心なりけり

The youkai settles on the clay pot lid to suit your heart. This is not your responsibility.



それでは。またどこかでお会いしましょう…。






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